軍師ピックアップ 
後継者ものづくり研究所 代表
小峯 圭太【一般社団法人軍師アカデミー認定 軍師®1級】

“ものづくり”の可能性を引き出す魔術師

「やり尽くした」というのは錯覚

「ここまで“やり尽くしてきた市場”に何か可能性が残っているのでしょうか?」
これは、後継者ものづくり研究所代表の小峯が新製品企画・開発を支援する際に「よくある質問」の1つだ。今の日本では、人々は既に多くのモノを手にしている。その中で企業側も必死になって考え、無数の商品が世の中に送り出されてきた。余程の技術に基づく新市場でない限り、多くの市場は既に考え尽くされ、やり尽くされているのではないか?新製品を考えるなら、もっと新しい分野に目を向けないといけないのではないか?そんな焦りや不安を感じている開発担当者は少なくない。この日も製品開発の指揮をとる後継者から小峯に率直な思いがぶつけられた。

小峯は、その焦りや不安を受け止めた上で答えた。
「本当にやり尽くしているかどうか・・・確かめてみませんか?実は、多くの市場では作り手、売り手、そしてお客様自身も気づいていない課題やニーズが埋もれています。それらを丁寧に見ていくことで、これからの製品のアイデアや企画につながるヒントが見つかります。まずは、そこから・・・手をつけてみませんか?」

小峯の表情は自信に溢れ、とても楽しそうだ。その小峯が落ち着いて話す内容を聞き、後継者の迷いは消えた。そして、ここから“ものづくり”の魔術師、小峯のエスコートによる「行動観察」技法へと、同社の製品開発部隊は引き込まれていくことになる。

行動を観察し、潜在ニーズを見つけ出す

小峯が駆使する“魔術”のスタートは、徹底した「行動観察」だ。想定ユーザーをできる限り個別化、具体化し、そのユーザーの家族構成や生活スタイルなどを可能な限り観察する。その人の希望は何なのか?その人たちに自分は何を提供したいのか?超現実的・具体的に考え、ユーザーの生活に入り込んだ視点から製品を生み出す。現実から見つけたニーズにアイデアをぶつけ、試作を繰り返し、練り上げる。気がつくと、そこには「顧客が欲しいと思い、買いたくなる製品」が生まれている。しかも、それらは不思議なことに「他にはない、魅力的なもの」になっているという。

何故なのだろうか?実は、小峯にはその理由がわかっている。

「右肩上がりの時代、“製造業”は必死に頑張り、その流れの中での効率性を寸分の遊びもないほどに突き詰めました。その結果、ものづくりの現場には分業化が進み、個々の企業は製品の一部だけをつくり、納品するスタイルが一般化しました。その仕組みが日本の製造業の競争力をつくりあげたという側面もありました。しかし、結果的に、ものづくりの現場とユーザーとが疎遠になってしまいました。企業は一生懸命頑張っていますが、この長年つくりこんできた仕組みが発想も行動も縛り付けています。実は、ユーザーが抱えている課題やニーズと直接向き合えば、別の景色が見えてきます。ユーザーさえも気づいていない課題やニーズがまだまだ残っているはずです」

つまり、やり尽くしているように見える市場であったとしても、実は既存企業の多くはユーザーと距離のあるところで“ものづくり”をしていることが多い。それは過去何十年に渡って効率化を進め、最適化を続けてきた結果として生まれている「副作用」のようなもの。その制約の中でやり尽くしていたとしても、シンプルにユーザーと向き合い、ユーザー視点で製品を練り上げることができたとすれば、それは「既存企業がつくっているものとは別物」になるということだ。

実際、これまで小峯が携わった“ものづくり”支援では、「これ以上新しいものは出ないだろう」と思ってしまいそうな分野において新しい製品が生み出されてきた。

例えば、「家庭内の収納道具」、「文具」。人類の歴史において長い歴史をもち、過去に多くの企業が調査し、企画し、商品を生み出し続けた分野だ。しかし、時代が変わり、人の生活習慣も変化し続けている。仮に、今は満たされていたとしても、明日は何かが足りなくなるかもしれない。それが市場の本質だ。小峯は「行動観察」の中で、その満たされぬニーズを発見し、そこにミートした製品づくりを進めるプロセスをサポートした。製品ができあがったとき、そこには「他には見当たらない、魅力あふれる製品」と「ものづくりの楽しさを味わっている“ものづくりの現場”」が生まれていたという。

「ものづくり」と「人」、2つの興味関心が 融合

ものづくりの魔術師、小峯圭太。昨年、独立開業するや否や、その「行動観察」技法を駆使した超リアル支援手法は口コミを呼び、独自の新製品開発を目指す“ものづくりの現場”からの出動要請が続いている。
そんな小峯のものづくりへの関心は幼少期に既に芽生えていた。高校では10メートルスケールの時計台を作成し、大学生時代にはロボットコンテストにも出場した。しかも、小峯の興味関心は「モノ」だけにはとどまらない。ものづくりに携われば携わるほど、興味関心は「ものを使い、ものからの影響で感情・行動が変化する人」「ひとの行動変容」へと拡がっていったという。

大学院での研究も経て、大手健康機器メーカーに就職した小峯は「人に役立つものづくり」を試行錯誤の末に実務に落とし込んだ。健康機器メーカーで担当する製品企画・開発・研究において、小峯は「人」の変化に徹底的に着目した。生活習慣改善を果たすためには、最終的には「人の行動」が変化しなければならない。人の行動を変化させるために、モノとしての健康機器に何ができるのだろうか?どんなときに、人の行動は生まれ、継続するのだろうか?小峯の中で、人とモノの関係性は突き詰められ、その到達点として「健康機器」が生み出されていった。まさに、ユーザーの生活にとことん入り込み、ヒントを見つけ、製品化を果たす「行動観察技法によるものづくり」を自らが実践したのだ。

この手法は表面的に真似をしても効果が薄い。ましてや、その手法を他人が駆使できるように指導することは更に難しい。ものづくりの実践者でありつつ、人の行動にも深い関心をもつ小峯が、その関心にジャストミートした仕事で実践を重ねたからこそ確立でき、今、その手法をさまざまな企業に導入することができるのだろう。世の中にはマーケティングのプロや製造業の現場指導の専門家は星の数ほど存在する中で、小峯が「ものづくりの魔術師」として一目置かれることには理由があるということだ。

後継者とものづくり

実は、小峯が支援する企業の製品開発担当者は「後継者」であることが多い。
「新しい価値を生み出すためのアイデアを考えるには、後継者が向いていることが多い。後継者にしかできないことがそこに存在する」

小峯はこれまで支援してきた「後継者」を思い浮かべながら、そう語る。後継者は、最初はどこか自信が無さそうな雰囲気を持っていることが少なくない。しかし、小峯の指し示す「行動観察」の手法を実践し、自ら潜在ニーズを見つけ、新しい可能性を秘めた製品創造のプロセスを歩み始めると、顔つき、振る舞いが急速に頼もしくなっていく。自らの意志と行動で価値の可能性を見つけ、形にしていく中で、主体的に動いて結果を出す姿勢が体全体に根付いていく。そして、ものづくりの面白さと経営の醍醐味を感じるようになるのだ。

小峯は「後継者の軍師」の一人。軍師アカデミー2010の卒業生(第1期生)だ。軍師アカデミーで学び、習得した「後継者に気づきをもたらし、その行動変容を促す手法」は、今、小峯のものづくり支援の手法に吸収され、オリジナリティあふれるスタイルで開花している。小峯は、単なる「ものづくりの魔術師」ではなく、人が自ら気づき、変化し、成長する仕掛けを現場に組み込み、「人をその気にさせ、行動そのものにスイッチをいれる魔術師」でもある。
「驚きました。世の中では、まだここまでしか考えられていない。でも、確実にニーズはある。まだ誰も気づいていないかも・・・いや、少なくともこのニーズに応えられる可能性を持っているのはウチかもしれません!」

冒頭で紹介した後継者が「行動観察」を重ねた後に小峯に語った言葉だ。その熱気を帯びた表情、眼差しは、小峯マジックをへて彼のスイッチが入ったことを物語っていた。

「ものづくりって、本当に面白い。自分で創意工夫し、新しいものを生み出して、お客様に喜んでもらえるわけですから。このリアルな感覚を中小企業、そしてその後継者、後継者とともに未来を切り拓く方々に味わっていただきたいのです。日本のものづくり、まだまだ可能性を秘めています!」

そう語る小峯の全身からは躍動感が満ち溢れている。既存の仕組みが行き詰まり、新しい可能性を探したいと多くの中小企業がもがく中、超リアルで活力あふれる「ものづくり軍師」が動き出した。

小峯圭太
【一般社団法人軍師アカデミー認定 軍師®1級】

後継者ものづくり研究所 代表
株式会社後継者の学校 取締役
中小企業診断士、中小企業事業再生マネージャー(TAM)
潜在ニーズを探し出し製品化するための「ものづくり支援」では、他の追随を許さない。健康機器メーカー勤務で体得した技術開発力、企画力、事業開発力を活かし、革新的な製品づくりを支援している。支援先の会社では今まで誰も考え付かなかった新製品のアイデアが生まれている。
企画・開発担当者はものづくりの「面白さ」を再発見し、高揚感を持って仕事に取り組み始めた。また、後継者主導の事業承継と経営革新では、企業経営における本質的な課題を抽出し、後継者が主体となって戦略を策定、実行できるよう支援している。技術畑出身者らしい論理的な考え方と、柔軟な発想力に基づくポジティブな支援が持ち味の
新進気鋭中小企業診断士として活躍中。

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