2017年12月26日、運命を大きく変える1通のメールが届いた。
差出人は株式会社南星の5代目社長。件名は「お願い」、本文には「私が命を捧げて支えてきた南星を、宮部さんに託します。」と書かれていた。同社はその当時、5つの子会社を束ね、6~700名の社員を抱える会社であり、宮部氏はその事業承継問題を解決するサポーターだった。しかし社長が病に倒れ、宮部氏は取締役として会社にかかわりながら急ピッチで事業承継問題、後継者問題の解決を進めようとしていた。
しかし、後継者不在の中で社長の病が悪化。その中で送られてきたメールを読んだ宮部氏はその場で考えられる限りのことに想いを馳せ、決断を下す。
10分後、宮部氏は「南星のことは任せてください」と返信した。宮部氏46歳の年末、大きく運命が動き出した瞬間だった。
約1か月後、5代目社長が急逝。そのバトンを受け取り、宮部氏の経営者人生がスタートした。社員の前で先代から後継指名されたわけでもなく、アウェイな空気が漂う中で始まった経営者としての日々。その居心地の悪さから、出勤前に心が揺れる瞬間もあったという。
しかし、そんな自分を支えてくれる人も存在した。状況を客観視した時、自分がやるべきことも見えてきた。社員を巻き込み、壁を越えていこうとしたとき、経営者たる自分の力が沸き起こってきた。悪化していた業績を立て直して黒字回復、事業の再編、新規事業への挑戦。やるべきこと、やりたいことが見えてきた。
そして、自社や自分の状況を鑑みたとき、多くの価値ある会社が後継者不在の状況を打破できず、その価値を失ってしまうことが放置できなくなった。その解決に向け、軍師コミュニティでつながる軍師アカデミー修了生のネットワークも活用し、新規事業「「LEADERSプロジェクト」を開始した。
コロナ禍の2年を経て次なるステージへ。宮部氏の経営者人生はここから加速していくのだろう。
<参考リンク>
株式会社南星 HP https://www.nansei-kumamoto.jp/
LEADERSプロジェクト HP https://www.leaders-nansei.jp/